失業保険をもらいながら訓練を受ける仕組み

雇用保険の基本手当(失業手当)を受けられる人が公共職業訓練を受けると、手当をもらいながら通えるだけでなく、受給できる期間が延びたり、自己都合退職の給付制限が解除されたりします。この記事ではその仕組みを整理します。

この記事の出典 この記事の制度・金額は 厚生労働省「教育訓練等を受ける場合の給付制限の解除」ほか で2026年9月9日に確認したものです。要件と金額は改正されることがあるので、申請の前に必ず最新の内容とハローワークでご確認ください。

まず前提

この記事は雇用保険の基本手当を受けられる人が対象です。受けられない人は求職者支援制度のほうになるので、公共職業訓練と求職者支援訓練の違いと給付金の条件を読んでください。

大事なのは、これらの上乗せを受けるにはハローワークの支援指示(受講あっせん)を受けて訓練を受講する必要があるということです。自分で勝手に見つけて申し込んだ民間のスクールでは対象になりません。

訓練中に受け取れるもの

1. 基本手当(失業手当)

これまでどおり支給されます。訓練を受けている間は「失業の認定」のためにハローワークへ行く必要がなくなり、訓練校が出席状況を報告する形になる場合があります。

2. 受講手当

訓練に出席した日について支給される手当で、日額500円です。支給される日数には上限があります。

3. 通所手当

訓練校までの交通費です。通所方法によって決まり、月額上限42,500円です。

この2つをあわせて「技能習得手当」と呼びます。

つまり 訓練を受けると、受けない場合に比べて手当が増えるということです。訓練を受けたぶん失業手当が減る、ということはありません。

訓練延長給付

ここがいちばん大きい仕組みです。

失業手当には所定給付日数(90日、120日など、離職理由と加入期間で決まる)があります。通常はそれを使い切ると支給が終わります。

ところが、支援指示を受けて公共職業訓練を受けている場合、訓練が終わるまで支給が延長されることがあります。これを訓練延長給付といいます。

たとえば所定給付日数が90日の人が6か月の訓練を受けると、90日で切れるのではなく、訓練の終了まで手当が続く可能性があります。生活の見通しが立てやすくなるという意味で、訓練を受ける動機として大きい部分です。

ただし、訓練開始のタイミングによっては対象外になることがあります。残りの給付日数がどれくらいあるかで扱いが変わるので、必ず事前にハローワークで自分の場合を確認してください。

自己都合退職の給付制限

自己都合で退職した場合、待期期間のあとに給付制限期間があり、その間は失業手当が出ません。退職日が令和7年4月1日以降であれば、給付制限は原則1か月です。

この期間中に、支援指示を受けて公共職業訓練を受け始めると、給付制限が解除されて手当の支給が始まります。手続きには訓練実施施設が出す訓練開始日の証明書が必要です。

給付制限の扱いは改正が続いている部分です。退職日がいつかで結論が変わるので、自分の場合は窓口で確認してください。

気をつけること

  • 出席は必須。正当な理由なく欠席すると手当が支給されない日が出ます。
  • 途中で辞めると支給が止まります。自己都合の退校は特に扱いが厳しくなります(途中でやめるとどうなるか)。
  • 訓練中もアルバイトの申告が必要です。収入があった日は申告しないと不正受給になります。
  • 訓練中も就職活動はできます。むしろ推奨されています(訓練中の就職活動のルール)。

まとめ

  • 訓練を受けている間は失業手当が支給され、受講手当と通所手当が上乗せされる
  • 所定給付日数が訓練期間中に尽きても、訓練が終わるまで延長される場合がある
  • 自己都合退職の給付制限期間中でも、訓練を始めると制限が解除される扱いがある
  • 支給には「ハローワークの支援指示を受けて受講すること」が前提