職業訓練で取れる資格、いちばん多いのは何か(全国1,676コースを集計)

職業訓練を選ぶとき「どんな資格が取れるか」は大きな判断材料です。ただ、コースごとにばらばらに書かれているため、全体でどの資格が多いのかは分かりません。このサイトに載っている募集中1,991コースのうち、資格の記載がある1,676コースを集計しました。2,504種類のうち、いちばん多かったのは第二種電気工事士の106コースでした。

この記事のデータ 2026年10月12日時点で当サイトに掲載している募集中のコースのうち、「訓練修了後に取得できる資格」の記載がある1,676件を集計しました。出典は各コースページに記載しているとおり、厚生労働省ハローワークインターネットサービスの公開情報です。表記はコースごとに揺れるため、かっこ書きと「修了証」などの語尾をそろえてから数えています。

全国で多い資格

上位20はこうなりました。

1. 第二種電気工事士106コース
2. ガス溶接技能講習92コース
3. アーク溶接特別教育59コース
4. 第一種電気工事士52コース
5. 日商簿記検定3級35コース
6. Excel(表計算の各種認定)33コース
7. 消防設備士32コース
8. 低圧電気取扱業務に係る特別教育31コース
9. 二級ボイラー技士31コース
10. 粉じん作業特別教育30コース
11. 玉掛け技能講習29コース
12. 危険物取扱者28コース
13. 基本情報技術者試験28コース
14. CAD利用技術者試験28コース
15. 福祉住環境コーディネーター24コース

表記のゆれをまとめて数え直すと、第二種電気工事士は197コースに広がります。「第二種電気工事士(任意受験)」「第二種電気工事士試験」などの書き方が混ざっているためです。同じように数え直すと、第一種電気工事士73、危険物取扱者60、日商簿記検定3級51、基本情報技術者試験48、フォークリフト運転技能講習34、二級ボイラー技士35、介護福祉士24となります。

なぜ電気と溶接が多いのか

上位が電気工事士と溶接に偏っているのは、この分野の資格が法律で義務づけられているからです。電気工事は第二種電気工事士の免状がないと作業できません。溶接やクレーン、フォークリフトも、資格なしで業務につくことができません。

つまりこれらは「持っていると有利」ではなく「持っていないと働けない」資格です。訓練でまとめて取れる意味が大きく、訓練校側も組み込みやすいため、コース数が多くなります。

「技能講習」「特別教育」は試験ではありません

上位に並ぶ「ガス溶接技能講習」「アーク溶接特別教育」「粉じん作業特別教育」などは、受けて修了すれば修了証が出るもので、合否のある試験ではありません。労働安全衛生法で定められた講習です。

一方、第二種電気工事士・日商簿記・基本情報技術者試験は試験に合格しないと取れません。訓練はそのための勉強をする場で、合格を保証するものではありません。受験料も自己負担です。

分野ごとの定番

分野によって、取れる資格ははっきり分かれます。

電気・設備第二種電気工事士(80)/第一種電気工事士(51)/二級ボイラー技士(31)
製造・ものづくりガス溶接技能講習(75)/アーク溶接特別教育(56)/粉じん作業特別教育(30)
事務・経理日商簿記検定3級(32)/Excel(30)
IT・Web基本情報技術者試験(26)/Illustrator(15)/ITパスポート試験(14)
建築・CAD福祉住環境コーディネーター(21)/インテリアコーディネーター(20)/建築CAD検定(14)
介護・福祉介護福祉士実務者研修(12)/介護職員初任者研修(11)
医療事務医療事務技能審査試験(8)/調剤報酬請求事務技能認定(8)
運輸・ドライバー玉掛け(6)/車両系建設機械(5)/フォークリフト運転(4)

介護分野だけ性質が違います。介護系訓練の記事に書いたとおり、初任者研修も実務者研修も研修そのものが資格なので、訓練を修了すれば手に入ります。ほかの分野のように「訓練で勉強して、別途試験を受ける」構造ではありません。

1コースで平均3.5個

資格の記載があるコースでは、平均3.5個の資格が挙がっています。数が多いのは実技系で、電気や溶接のコースでは関連する技能講習・特別教育がまとめて並びます。

ただし全部を取る必要はありませんし、全部が訓練時間内に完結するとも限りません。受験料は自己負担で、合計すると数万円になることもあります。どれを優先すべきかは訓練校の先生に聞くのが確実です。費用の目安は自己負担額の記事にまとめています。

資格の記載がない315コース

募集中1,991コースのうち、315コース(16%)には資格の記載がありません。分野の内訳は事務・経理104、製造・ものづくり59、IT・Web48、建築・CAD28、電気・設備23です。

これは「資格が取れない」という意味ではありません。公開資料のその欄が空欄だっただけです。当サイトは公開されている内容をそのまま載せているので、書かれていないものは書けません。

気になるコースの資格欄が空だった場合は、訓練校に直接聞いてください。同じ内容の訓練でも、書いている訓練校と書いていない訓練校があります。

資格から選ぶときの注意

  • 資格の数で選ばない。数が多いのは実技系の講習がまとまっているからで、就職の強さとは別です
  • 必置資格かどうかを見る。電気工事士のように「ないと働けない」資格は、それだけで応募できる求人が増えます
  • 試験か講習かを区別する。「技能講習」「特別教育」は修了すれば取れますが、試験は合格が必要です
  • 受験料を数える。任意受験のものが多く、全部受けると積み上がります

各コースのページに、そのコースで取れる資格をそのまま載せています。分野で絞ってから見比べてください。

まとめ

  • 資格の記載があるのは1,676コース(84%)。1コースあたり平均3.5個
  • 全国で最も多いのは第二種電気工事士の106コース。表記ゆれを含めると197コース
  • 上位は電気と溶接に偏る。実技系は「技能講習」「特別教育」が多い
  • 分野ごとの定番がはっきり分かれる。事務は日商簿記3級、ITは基本情報技術者試験
  • 資格の記載がない315コースは「取れない」ではなく「書いていない」だけ

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